「オブジェクト指向」とは、プログラミングに対する考え方や手法、アプローチの一種です。プログラミングをおこなううえで、重要かつ基本的な考え方と言われています。
そのため、オブジェクト指向とは何かを正しく理解しておくことで、プログラミングの学習効率および開発効率を高めることができます。
この記事では「オブジェクト指向って何?」と疑問に思っている大人の方に向けて、オブジェクト指向の概要を詳しく紹介します。
また、オブジェクト指向に基づいたプログラミングでできることや、学習方法なども解説していきます。
目次
オブジェクト指向の概要をわかりやすく解説
オブジェクト指向では、ひとまとまりの処理を「オブジェクト」として捉えます。
複数の処理を1つのオブジェクトとしてまとめることで、後述のような「プログラムに対する管理性の向上」などが実現され、プログラム全体がわかりやすい形で構築されていきます。
オブジェクトには複数の一連処理が含まれ、オブジェクトを複数組み合わせていくことで、複雑な処理をおこなう1つのプログラムができあがります。
オブジェクト指向で押さえておきたい3つのポイント
オブジェクト指向に沿ったプログラミングには、「継承」「カプセル化」「ポリモーフィズム」という特徴があります。
この3点は、オブジェクト指向を理解するうえで欠かすことのできないポイントとされています。
以下でそれぞれの内容を解説します。
「継承」とはオブジェクトの引き継ぎのこと
オブジェクト指向の大きな特徴であり、かつイメージの湧きやすい特徴として「継承」が挙げられます。
継承は「プログラムを再利用する」という考え方に基づきます。ある基本的な機能を有するオブジェクトがある場合において、当該機能に少し修正を加えた機能が欲しいときに役立ちます。
例えば「ゲーム上でバスやトラックの運転ができるようにしたい」というケースの場合、バスやトラックそれぞれを独立させて、ゼロからプログラムを作るのは効率的ではありません。
なぜなら、バスもトラックも自動車である点に変わりなく、アクセルを踏んで加速し、ブレーキを踏んで減速するという基本機能は共通しているからです。
そこで、これら走行のための基本機能を「車」というクラスとして定義し、このクラスをバスやトラックに継承するのが簡便です。バスやトラック個別の機能は、継承後に少し修正を加えれば良いのです。
このように、共通する処理に関しては、オブジェクトの機能を引き継ぐようにすることで、作業効率やメンテナンス性、拡張性を高められます。よって、毎度、すべてのプロパティやメソッドをプログラミングする手間が省けます。
「カプセル化」とは干渉を避ける機能のこと
「カプセル化」とは、他のプログラムからの干渉を避けるための仕組みです。
作成した「クラス」をカプセル化することで、故意や過失によるデータ毀損を防ぐことができ、オブジェクト内のデータを不正アクセスなどから守る役割も果たします。
プログラムが壊れにくくなるので、クラスの性質に応じ、特にいじる必要のない箇所をカプセル化することで複数人での開発も進めやすくなります。
「ポリモーフィズム」とはプログラムの多態性のこと
「ポリモーフィズム」とは「多態性」のことで、1つのインターフェースに対し、異なる複数の振る舞いをする機構を意味します。
また、オブジェクト指向のプログラミングでは、継承に基づいた複数の振る舞いをする機構のことを意味します。
継承を活かしたプログラムを組めば、ある1つのメソッドでもクラスによって異なる処理をおこなうことが可能です。
共通の機能を1つのクラス体系にまとめることができるので、プログラムのカスタマイズがしやすくなり、開発効率を上げられるメリットがあります。
オブジェクト指向に基づいたプログラミングでできること
オブジェクト指向に基づいたプログラミングでできることとして、おもに以下の3つが挙げられます。
- 柔軟な仕様の変更
- 不具合の迅速な特定
- 複数人での開発
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
柔軟な仕様の変更
同じ処理をおこなうプログラムであっても、オブジェクト指向に基づいた設計をしていることで仕様変更も柔軟に対応しやすくなります。
大きな変更が求められる場面であっても、全体を書き換える必要はありません。部分的にクラスの属性やメソッドの変更をするだけで、変化に強いシステムを作ることができます。
また、複雑なシステムの場合でも、仕様変更に対するコストを比較的抑えることができます。
不具合の迅速な特定
プログラムの修正が必要になった場合、修正作業そのものの問題以外に、その前提となる不具合の特定にも時間がかかるという問題が生じます。
オブジェクト指向の場合、「モノ(オブジェクト)」と「操作」というように役割別に区分されているため、エラーの追及がしやすくなります。
何か不具合が生じたときにも着目すべきポイントが絞られ、すばやく修正作業に取りかかれるでしょう。
複数人での開発
オブジェクト指向に基づいてプログラムを組んだ場合、複数人でのシステムの開発にも取り組みやすいと言われています。
エラー箇所を見つけやすい点と同様に、どの部分が何をしているのかを理解しやすい点がメリットです。
また、他人が構築したプログラムであっても比較的管理がしやすいです。そのため、大規模な開発にも適していると言えます。
オブジェクト指向のプログラミング言
オブジェクト指向のプログラミング言語は、以下のように多数あります。
言語 | 特徴 |
C++ | C言語を拡張してできたオブジェクト指向プログラミング言語 |
Python | Web開発や統計解析などでもよく用いられる、拡張性に優れたオブジェクト指向のプログラミング言語 |
Java | C言語やC++をベースに開発されたオブジェクト指向の言語で、オブジェクト指向が主流でなかった時代に誕生した |
Ruby | 日本人によって作られ、Web開発などでも用いられているオブジェクト指向の言語 |
JavaScript | Web開発で広く使われているオブジェクト指向の言語で、スクリプト言語に区分される |
Scratch | 子ども向けのビジュアルプログラミング言語。猫のオブジェクトに命令を与えてアクションを起こさせ、自然にオブジェクト指向が身につけられる |
このように、オブジェクト指向は、学習用の環境から実際の開発現場まで、広く採用されています。
オブジェクト指向の対義語にあたる概念とは?
プログラミングに対するアプローチはオブジェクト指向だけではありません。対義語にあたる概念として、以下のようなものがあります。
- プロセス指向
- データ指向
それぞれ、詳しく紹介します。
オブジェクト指向より古くからある「プロセス指向」
「プロセス指向」は、オブジェクト指向が主流になる以前、主流であった手法と考えられています。
「チームメンバーが一貫した成果物を生み出す」ということを目指す一連のプロセスを定義し、当該プロセスに沿ったプログラミングをおこなう考え方です。
定義どおりにプロセスを実施すれば、チームメンバー全員が同品質のものを作り出すことができ、一貫性のあるプログラムができあがります。
ただし、オブジェクト指向と違ってプログラムとデータをひとまとまりには考えないため、複雑なシステムの場合には、変更頻度が増してしまうなどの問題が生じやすいとされています。
オブジェクト指向よりデータを中心に考える「データ指向」
プロセス中心で設計すると、データが点在してしまい開発効率が落ちてしまいます。
そこで、データに着目したアプローチが「データ指向」です。データを中心に設計することで、データの重複を避け、シンプルな構成にすることができると言われています。
なお、オブジェクト指向に比べるとデータの操作部分の散在が生じるという問題があり、拡張性や保守性に難があります。
しかし、データ指向に基づけば、比較的単純で作りやすく、パフォーマンスが上がるケースもあります。
オブジェクト指向を学ぶおすすめの方法
オブジェクト指向は、プログラミングをおこなううえでの考え方や設計手法にあたりますが、理論的な部分の理解を深めようとするより、実際に手を動かすほうが効果的です。
そのため、「まずは座学から始めて基礎を固めよう」と考えるのではなく、「オブジェクト指向に対応したプログラミング言語を、実際に使うことから始めてみよう」と考えることが大切になります。
オブジェクト指向そのものへの理解のみならず、プログラミングのスキルを高めるためには、座学よりも実践が重要と考えられています。
「実践の方法がよくわからない」「効率的な実践をしていきたい」と思うのであれば、プログラミング教室の利用を検討しても良いでしょう。
オブジェクト指向を身につけるには子どものうちからプログラミング学習を始めるのがおすすめ
オブジェクト指向のような、「プログラミングに対する基本的な考え方」を身につけるのであれば、子どものうちからプログラミング学習に取り組むこともおすすめです。
幼いうちからオブジェクト指向プログラミング言語に触れることで、自然に効率的なアプローチが導き出しやすくなります。
また、プログラミングの基礎ができていれば、その後の中学校・高校での勉強や大学入試、将来の就職などにも役立つメリットがあります。
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また、学習が進むにつれプログラミングにおける重要な概念を学ぶことができる設計になっており、論理的に考える力もどんどん鍛えられていきます。
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まとめ
オブジェクト指向に基づいたプログラミングでは、効率的な開発が実現され、プログラムに高い柔軟性と多様性をもたらすことができます。
オブジェクト指向を身につけたいのであれば、プログラミングの実践が何よりも大切になるため、なるべく実践できる環境を用意することから始めると良いでしょう。
ただし、自分で学習環境を整え、学習を進めていくことは容易ではありません。実践を積むためにもプログラミング教室の利用をおすすめします。
また、オブジェクト指向のようなプログラミングの基礎を身につけるなら、子どものうちからプログラミング学習をおこなうことも効果的です。
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