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プログラミング必修化になった理由とは?学習内容や現状の課題を解説!

小学校や中学校、高等学校でプログラミング学習が必修化され、順次プログラミングの授業が始まっています。

始まったばかりの学習であることから、必修化される意義や、詳しい学習内容に疑問を抱える方も多いでしょう。

この記事では、プログラミング学習がどのように役立つのか、必修化の目的や今後の課題について解説します。

 

学校でプログラミングが必修化された理由

学校教育でプログラミング学習が必修化された理由は、大きく2つあります。

  • プログラミング的思考(論理的思考)を養うため
  • コンピュータ等を活用しIT化社会に対応できる人材を育てるため

なぜプログラミング学習が必修化に至ったのか、理由や背景を知ればより学習に取り組みやすくなるでしょう。

学校教育におけるプログラミング学習の必修化の理由について、詳しく紹介します。

プログラミング的思考(論理的思考)を養うため

小学校で実施されるプログラミング学習では、システム構築やアプリ制作で使うようなプログラミング言語を学び、コーディングをおこなうわけではありません。

物事を順序立てして、結論を出す「プログラミング的思考(論理的な思考)」を培うことが、主な目的です。

例えば、算数の時間にコンピュータを使って正多角形を作図します。このときプログラミング的思考に基づいて、すべての辺の長さや角の大きさが等しいことを前提条件とし、順序立てて作図の指示をする、という授業をおこなう事例があります。

つまり「プログラミング」という教科が生まれるわけではなく、従来の授業を活用してプログラミングの考え方を身に付けていくことを目指しているのです。

プログラミングで得られる論理的な思考は、プログラミング以外のさまざまなシーンでも活躍すると言われています。

また、2022年から高等学校でもプログラミング学習が必修化され、さらに進んだ内容を学習します。高等学校においては、プログラミング言語を使った本格的なコーディングを学ぶ機会が得られます。

コンピュータ等を活用しIT化社会に対応できる人材を育てるため

コンピュータを始めとした、ICT機器の扱いに慣れておくことも、プログラミングが必修化された目的の一つです。

近年は社会のIT化がハイスピードで進んでいます。これからの時代、コンピュータ等のICT機器を扱えなければ将来の選択肢が狭くなってしまう可能性さえ考えられます。

小学生のうちからコンピュータ等のICT機器の操作に慣れることで、これからのIT化社会に対応できる人材を育てることが狙いです。

プログラミング学習が必修化した背景

プログラミングをする子ども

プログラミング学習が必修化された背景は、主に以下の2点が挙げられます。

  • IT技術の進歩とニーズの急増
  • 不足しているIT人材の確保

必修化の背景を知ることで、学習を進める意味が理解できるため、より意欲的にプログラミング学習に取り組めるようになるでしょう。

ここからは、どのような流れでプログラミング学習が必修化となったのか、詳しく解説します。

IT技術の進歩とニーズの急増

現代の日本では、IT技術の発展が加速しており、身の回りにもIT製品が溢れています。

スマートフォンやパソコンを持つ方が増えただけでなく、買い物の支払いでICカードを利用することもあり、身近なところでもIT技術は使われています。

今後もIT技術は発展していくと予想されるため、これらの技術を支えているプログラミングについて理解することが必要です。

さらに、IT関連の仕事も増加しており、職業としてITに携わるのであればプログラミングに関する専門的な知識やスキルを習得することは必須といえるでしょう。

また、IT業界以外の仕事でもプログラミングを用いた商品やサービス等を利用する機会は多く、基本的な知識やスキルは求められます。

現代では、IT業界の人材の育成だけでなく、IT化社会に対応できる人材を育てることも必要とされています。

不足しているIT人材の確保

急激なITの進歩により、新しい技術の開発や設計といったニーズは高まっています。

しかし、現在のニーズに対応できるエンジニアやプログラマなどのIT人材が不足していることが、日本の現状です。

小学生のころからプログラミング学習をおこなうことで、コンピュータに触れる機会が増えるため、ITへ対する苦手意識がなくなることが期待されます。

コンピュータやロボットなどのITに興味を持つ子どもが増えれば、将来的なIT人材の確保にも繋がるでしょう。

プログラミングが必修化されるのはいつから?

プログラミング教育の様子

プログラミング学習が必修化されるタイミングは、小学校と中学校、高等学校によって異なります。

ここからは、それぞれの必修化が始まるタイミングについて実践事例を交えて紹介します。

小学校は2020年度から

小学校でのプログラミング学習は2020年度から必修化されました。

プログラミング的思考を養うことや、コンピュータの扱いに慣れることが、小学校でプログラミング学習をおこなう主な目的です。

算数や理科など、各教科の授業時間に組み込まれる形で実施されています。

ただし、具体的な指導内容まで決まっているわけではなく、学校によって授業方針に違いがあります。

また、すべてのプログラミング学習がコンピュータを使うわけではありません。ICT機器ではなく、カードやブロックを使った「アンプラグドプログラミング」と呼ばれる学習方法が行われている事例もあります。

いきなりパソコンやタブレットを使うわけではないため、今までICT機器に触れたことがない子どもでも無理なく学習に取り組めるでしょう。

※小学生のプログラミング教育に関しては、『小学校で受けるプログラミング教育の目的とは?学習内容の現状や課題について解説』の記事もご覧ください

中学校は2021年度から

中学校では、2021年度からプログラミング学習が必修化されました。

現在も一部でプログラミング学習はおこなわれていますが、より踏み込んだ内容の学習を「技術・家庭」のうち「技術」の授業で扱うこととなります。

小学校よりもさらに進んだ内容になっており、主な学習内容は、情報セキュリティやデジタル情報の活用です。

デジタル情報を効果的に活用することで問題解決能力を高めることが狙いで、小学校と比較するとより実践的な内容になっています。

※中学生のプログラミング教育に関しては、『中学生がプログラミングを学ぶメリットとは?おすすめの学習方法なども紹介』の記事もご覧ください

高等学校は2022年度から

高等学校では、2022年度からプログラミング学習が始まり、共通必修科目「情報Ⅰ」が新設されます。

現状は、「社会と情報」「情報の科学」から一つを選択する形式ですが、プログラミング学習が含まれるのは「情報の科学」のみです。

そのため、「社会と情報」を選んだ生徒は、プログラミングを学習せずに高等学校を卒業することとなります。

新学習指導要領における「情報Ⅰ」は共通必修科目のため、今後はすべての生徒がプログラミング学習を受けるということです。

高等学校では、情報技術を理解し、問題を発見して解決するプロセスを考える力を育てることが主な目的とされています。

プログラミングの必修化に伴う現状と課題

順次始まっているプログラミング学習の必修化ですが、すべての学校が万全の体制というわけではありません。以下2点のように、必修化に伴う課題も挙げられます。

  • ICT整備を進めなくてはならない
  • 指導教員の知識やスキルを高める必要がある

ここからは、プログラミング学習の必修化に伴う現状と課題について解説します。

ICT整備を進めなくてはならない

プログラミング学習をおこなううえで、パソコンやタブレットの配備、無線LAN環境の整備などが必要になりますが、準備が完了していない学校は少なくありません。

課題としては、環境整備に費用と時間がかかり、すぐに対応できない学校がある点です。

1人につき1台の端末を用意することが理想とされており、既にタブレットの配布は進んでいます。しかし、1人に1台配布するという目標は100%達成できていないことが現状です。

そのため、デジタル機器を使用せずにプログラミングの考え方を学ぶ、「アンプラグドプログラミング」を用いた授業の実施などの工夫を行う事例もあります。

プログラミングの考え方自体はICT機器を使わなくても学べるため、この方法を活用することで、整備されていない部分を補うことが可能です。

指導教員の知識やスキルを高める必要がある

プログラミングに対する教員の知識やスキルにバラつきがある点も、プログラミング学習の必修化における課題です。

プログラミング学習の必修化に戸惑いを感じ、不安感が募っているのは子どもや保護者だけではありません。今までプログラミングについて学んでいない教員も同様です。

子どもだけでなく、教員の指導レベルの均一化を図ることを目指し、教員向けのIT・プログラミング教育サービスの人気が高まっています。

教育サービスを活用することで、教員自身の理解を深めるための取り組みが実施されています。

プログラミングの必修化が今後の社会に与える影響

プログラミングの必修化が今後の社会に与える影響

  • 大学入学共通テストへの導入
  • ICT教育の目覚しい発展
  • プログラミングに関するスキルの重要性を再認識

それぞれの内容について、詳細を解説します。

大学入学共通テストへの導入

2024年度から、大学入学共通テストに情報科目が加わり、プログラミングの内容が出題されることが決定しています。

入試では端末で解答する「CBT(Computer Based Testing)方式」を予定していましたが、初年度はマークシート方式を検討しています。全国の受験環境が整った段階で「CBT方式」導入を再検討する予定です。

将来的に大学進学を目指す場合、プログラミングに関する知識を必ず習得しなくてはいけません。

さらに、情報技術系の大学への進学を考える生徒は、より専門的な知識を学ぶ準備が必要になるでしょう。

ICT教育の目覚しい発展

プログラミング学習が浸透することで、プログラミングの知識だけでなく、コンピュータ等のICT機器活用に関する基礎知識が向上すると期待されています。

子どもたちがICT機器を活用できることが「普通」である未来が求められ、教育の現場はさらに発展していくでしょう。

例えば、パソコンやタブレットを使った教育を実施できるようになり、オンライン授業も一般化していくと予想されています。

プログラミングに関するスキルの重要性を再認識

将来的にはさらにIT技術の発展が加速していくと予想されているため、プログラミングに関するスキルや知識は、さまざまな業界にとって必須なものになります。

現在はIT人材が不足していますが、それは「IT人材のニーズが高いこと」も意味します。

専門的な知識やスキルを持つ人材は、今よりも重宝される時代が来ると考えられます。

子どものころから学校でプログラミングを学ぶことで、将来的な選択肢が広がり、多方面に活躍できるようになるでしょう。

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また、使用する教材にはストーリー性があり、魅力的なキャラクターが登場するなど、ゲーム感覚で楽しみながら学習に励むことができます。

本物のゲームのような教材のため、机に向かっての勉強に苦手意識があるお子さんでも、無理なくプログラミングの基礎知識を身に付けられるでしょう。

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プログラミングの必修化はこれからの社会にとって重要

プログラミング学習は、小学生から高校生まで順次必修化しています。

IT化社会に対応できる人材は、ますます需要が高まると予想されており、プログラミングの知識やスキルは今後の社会を生き抜く上で重要なものです。

お子さんがプログラミングに興味があり、学校外でも学びたいと思っている場合は、小学生向けのプログラミング教室の利用も検討しましょう。

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